火の神話学 第4章 民俗の中の火
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#### 雑感
火は家族が集まるところ。
古代人は、囲炉裏と竈を使った。
囲炉裏は、居間にあり、家族や客人が囲む「公」の火処である。
竈は、土間にあり、嫁や使用人などが家事や料理のために使う「私」の火処である。
拡大家族→核家族→個人という、社会の単位が小型化していく中、火の役割はどのように変わっていくか。
社会の単位が小型化していく中、個人にとっての火は、何の役割をもつか?
現代人が日常的に、直接の火を見ることは、台所のコンロくらいである。
コンロの火を見て安心する人は、もはやいない。
とすると、はるか昔、火を囲んで家族が団欒した安心感をもたらすものは、火から何に移ったのか?
TVのような気がして仕方がない。
あるいはTwitterか。よく「炎上」しているし。
火は異世界への出入口である。
火によって外敵などの危険から回避することを得た人間は、火の周りでじっくり思考する時間を得た。
人間は、思考によって、異世界を作り出した。異世界が本当にあるかどうかは関係なく、人間は異世界を認知することに成功した。『サピエンス全史』のいう「虚構」の獲得。